中国で自転車シェアサービスが廃業した理由とは

2017年07月10日 06:19

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中国の自転車シェアサービス会社である「オコン社」で所有している1200台の自転車の内の9割が盗難に合い、回収が不可能となってしまった。

 自転車大国である中国で人気の「自転車シェアサービス」で初の倒産を迎える業者が現れ話題となった。中国では人口が多く、小回りが利き値段も安価だという事で自転車の使用が世界の中でもトップクラスを記録しており、需要も相まって自転車のシェアサービス会社は軒並みを連ねているが、課題点も多いようだ。

 今回倒産してしまったオコン社は主な倒産理由として、「貸し出した自転車が返ってこなくなった」事が原因としている。同社では自転車にGPSを付けていなかったこともあり、1200台の自転車のうちの9割が盗難により回収不可能という結果に陥ってしまった。盗難による自転車は転用されたり転売されたりしていることが予想され、見た目の改造により、目視の判断だけで同社製の自転車だと判別できず、回収不能に拍車をかけている現状だという。

 ほとんどの自転車シェアサービスで貸し出している自転車には盗難防止にGPSが付けられているのだが、なぜ同社の自転車にはGPSが付けられていなかったのか。それは経費削減によるものだと推測さる。GPSは安いものでもそれなりに値段がするものであり、それを1200台もの自転車に着けよう物であれば自転車費用にさらに上乗せして資金を用意する必要がある。同社はこの費用を削減すべくGPSを排除したようだが、その甘さが今回のような倒産を引き起こす結果となった。

 中国ではこのような貸し出しサービスでの返還率が異常に低く、1200台の内の1割が返ってきただけで称賛されるほどだ。自転車の返還は各社ごとに「エリア」がさまざまな所に設けられており、使用者はそのエリアに置いておくだけで返還をしたことになる。これだけ聞くと便利なサービスだと思われる。

 同社だけがこのような盗難に見舞われた原因の一つとしてSNSがある。「GPSがついていないから盗める」といった情報が拡散され、このような悲しい結果となったのだ。(へんしゅう:久保田雄城)