菅義偉官房長官は北朝鮮が28日23時42分頃、北朝鮮中部から弾道ミサイルを発射。45分程度飛翔し、日本海の日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したとみられる、と29日発表した。
安倍晋三総理は、今回の弾道ミサイル発射に対し「北朝鮮に厳重抗議し、最も強い言葉で非難する。北朝鮮がこのような挑発行動を続ける限り、米国、韓国を始め中国、ロシアなど国際社会と緊密に連携し、更に圧力を強化していくほかない」とした。
また「更なる北朝鮮による挑発行為も、十分にその可能性は考えられる」とし「強固な日米同盟の下、高度の警戒態勢を維持し、国民の安全確保に万全を期していく」と述べた。
菅官房長官は記者会見で「我が国の安全保障に対する深刻な脅威」としたうえで「何らの事前通報もなく同水域内に着弾させたことは航空機や船舶の安全確保の観点からも極めて問題のある危険行為であり、午前0時44分頃から国家安全保障会議(NSC)を開催し、情報の集約及び対応について協議した。総理からは我が国として引き続き国際社会と連携しつつ、北朝鮮に強く自制を求め、関連措置をしっかり実施すること等を通じて毅然として対応していくこととする旨の指示があった」とした。
韓国・聯合ニュースは、北朝鮮が発射した弾道ミサイルについて、韓国軍合同参謀本部の情報として「高度は約3700キロ、飛距離は約1000キロで、前回(今月4日)より進展した大陸間弾道ミサイル(ICBM)級のミサイル級とみられる、と明らかにした」と報道した。
また「北朝鮮が慈江道(チャガンどう=朝鮮半島北中部)一帯からミサイルを発射したのは初めてとされる。深夜に発射したのも異例だ。いつ、どこでもミサイルを発射できる奇襲能力を誇示する狙いがあるとみられる」と伝えた。(編集担当:森高龍二)