昨年、大盛況のうちに閉幕した東京モーターショーで出品されていた二輪車が、国内でも発売される。力強いトルク特性で扱いやすく燃費性能に優れた新設計の水冷・4ストローク・OHC・直列2気筒700ccエンジンを搭載した大型モデル、ホンダの「NC700X」がそれである。
この「NC700X」は、「ニューミッドコンセプト」シリーズとして開発した3モデルの1台で、国内発売の第一弾だ。「ニューミッドコンセプト」とは、「市街地走行やツーリングなどの常用域で扱いやすい」「快適で味わい深く燃費性能に優れたミドルクラス(排気量500ccから750cc程度の欧米における中型車)のモーターサイクルをお求めやすい価格で提供したい」といったコンセプトを指す。このコンセプトを反映して、理想的な燃焼室形状や低フリクション技術などを多岐にわたり採用したエンジンを搭載。また、燃費性能を高めたことにより、燃料タンクを小型化しシート下に配置。従来の燃料タンク部には、フルフェイスヘルメットも収納可能な容量21Lのラゲッジスペースを装備するなど使い勝手に優れたものとなっている。
さらにスタイリングは、新たな可能性へのチャレンジから生まれる魅力を融合していく、ホンダのモーターサイクルづくりの新たなコンセプト「クロスオーバーコンセプト」の思想に基づいたデザインを採用している。都会での存在感に加え、自然の中でも映える、躍動感あふれる力強く洗練されたデザインで、通勤・通学などの市街地利用からロングツーリングまで、幅広いシチュエーションで楽しく快適な走行を楽しめる。
ヤマハ発動機が二輪車販売で過去最高を記録するなど、他の分野に比べて比較的好調な二輪界。ホンダも先の決算発表によると、その売上台数が前年同期比でプラスとなっている。地域別に見ても、アジアの爆発的な伸長が他のマイナスをカバーしているのではなく、欧州を除き、全ての地域でプラスである。快適な走行が楽しめる「NC700X」は、この好調さに乗れるか、注目が集まるところだ。