原子力規制委員会は13日、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の6号機、7号機の再稼働安全性審査に、福島第一原発事故を起こした当事者であることを踏まえ、原発運転者として適格かどうかの審査を実施。安全確保や福島第一原発廃炉に法的拘束力を持たせるため、保安規定にこうした内容を盛り込ませるなど条件付きで適格性を了承した。再稼働の安全性審査書案とりまとめは次回以降になる。
菅義偉官房長官は原子力規制委員会が原発運転の東電の適格性を一定条件つきで認めたことについて「事業者としての適格性について議論が行われ、概ね、異論がなかった、との報告を受けている」とした。
そのうえで、菅官房長官は「新規制基準への判断は(きょうは)行われなかった。原発は安全が最優先。引き続き、独立した立場で厳格に審査が行われるものと承知している」と厳格に安全性が確保できているかどうか、審査されるものと独立した機関としての役割を期待した。
原子力規制委員会では7月の会合で委員から「福島第一原発の廃炉を主体的に取り組み、やりきる覚悟と実績を示すことができない事業者に、柏崎刈羽原発を運転する資格は無い」との意見が出されていた。
東電の小早川智明社長は「廃炉は国内外の叡智や地元をはじめ多くの関係者の協力を得つつ、当社が主体となり進める。廃炉を着実に進める」と答えた。
また「廃炉に多額を要する中で、柏崎刈羽原発に対する事業者責任を全うできる見込みが無いと運転を再開することはできない」との委員の意見には「廃炉をやり遂げることと、柏崎刈羽原発の終わりなき安全性向上を両立していく。6号機、7号機の安全対策については一定の進捗をみているが、今後要する資金の手当てについては、当社において策定し、主務大臣の認定を受けた『新々総合特別事業計画』で示した計画に基づき、着実に実行していく。また追加で安全対策が必要となる場合は社長である私の責任で資金を確保する」と明確に答えた。(編集担当:森高龍二)