低迷していた新規上場企業数、今年は好調市場から続々上場

2013年02月17日 12:20

218_e

東京証券取引所のデータによると、平成12年には157社あった新規上場企業数が平成21年には23社までに減少したが、平成23年は50件、平成24年は66件と、徐々に回復を見せている。

 東京証券取引所のデータによると、平成12年には157社あった新規上場企業数が平成21年には23社までに減少。平成22年も26社と低迷していたが、平成23年は50件、平成24年は66件と、徐々に回復を見せている。今年に入ってからも既に3社が上場しており、3月にも9社が上場予定と、この傾向は暫く続きそうである。今年上場、若しくは上場予定の企業をみてみると、有名企業の上場、そして好調な市場から順当に上場しているようである。

 3月15日に上場を予定している鴻池運輸は創業1880年。1945年に株式会社化した老舗である。経済成長著しい東南アジアにおいて特に注目を集めているベトナムには1993年に物流会社として日本初の進出をするなど、グローバルに事業を展開。1989年には売上高1000億円を突破していた大企業である。また3月8日には、パソコン及びデジタル機器関連製品の開発・製造・販売を実施しているエレコムが上場予定である。エレコムは、パソコンやデジタル家電の年間販売数量No1メーカーを表彰する「BCN AWARD」において、マウス部門、USB部門で12年連続受賞、PC関連部門を含めて10部門で年間販売数量1位となっている。さらに日本及びアジア各国・地域において、主要カテゴリ別に年間販売量シェアの高かったメーカーを発表する「第8回GfK Japan Certified」において、マウス、PC用キーボード、アンプ内蔵スピーカ、スマートフォンケースの4部門で1位を獲得するなど、すでに市場では高い評価を得ており、満を持しての上場と言えるであろう。

 好調市場からの上場としては、インターネットを通じた食品販売、宅配野菜の先駆けとも言えるオイシックスが3月13日に上場予定。一昨年の震災以降急激に市場が拡大し、大手企業も多く参入しているミネラルウォーター(宅配水)業界からもウォーターダイレクトが3月15日に上場を予定している。また、スマートフォンの普及で好調な市場においても、登録会員数が100万人を超える「バハムートブレイブ」のなどモバイル端末向けソーシャルゲームの企画・開発・運営を行うオルトプラスも上場が承認されている。

 日本証券取引所グループの上場で始まった今年の新規上場企業は、好感触な景気と相俟って、比較的上々な滑り出となるであろう。この好調さを維持し、不振の製造業を補って余りある躍進を期待したい。(編集担当:井畑学)