サントリー食品インターナショナルは、サントリーフーズと東芝ホームアプライアンスと共同で新ウォーターサーバーを開発し、3月2日から1都3県を対象にレンタルを開始、1月26日から先行予約の受付を開始している。
新サーバーの特長は、特許を取得した「オートクリーンシステム」。毎日自動的にサーバー内部を温水が循環しクリーニングするシステムである。さらに、「サントリー天然水」の容器は、透明なポリエチレン製バッグがダンボール製ボックスに入った2重構造となっており、使い終わりまで外気に触れにくく雑菌の侵入を防ぐという。また、冷水から高温まで水の温度を5段階に設定することで、利便性の向上を図っている。
東日本大震災により生活用水への需要が高まった中で、追い打ちをかけるように起こった福島第一原発事故の影響で、ミネラルウォーターへの需要は急激に高まった。全ての企業が生産ラインをフル稼働させ、飲料それでも供給が追い付かずに緊急輸入をした程である。結果、ミネラルウォーター市場の2011年見込みは、富士経済によると、前年比で120.3%となっている。2012年は昨年の揺り戻しもあり、前年比100%程度となる見込みであるが、現在でも原発事故は収束しておらず、安全・安心を求める消費者のミネラルウォーターに対する需要は高い状態が続いている。
小さな子供を持つ親を中心に需要が高まる安心・安全なミネラルウォーターであるが、子どもを抱えながら重い水を購入して持ち帰るのは大きな負担となっている。そんな中、国内におけるミネラルウォーター販売の先駆けであり、累計販売本数でNO.1(インテージMBI ミネラルウォーター市場 2011年1―12月)と定評のある「サントリー天然水」が、更なる安全性を伴って自宅まで届くのは朗報だ。「水をわざわざ買うなんて」などと難色を示していた時代はもう昔の話である。「おいしくて安心・安全」だけでなく「利便性」まで兼ね備えた水ならば、買ってでも手に入れたい、買わなければ手に入らない、そういう時代になったということであろう。一方で、現在自宅にウォーターサーバーを設置している家庭はそう多くはない。今回の新サーバーの動向が、今後のミネラルウォーター市場や家庭内での飲料水の在り方を占う指標となるのかもしれない。