厚生労働省は一般消費者の立場から一般用医薬品の販売制度の定着状況を把握するための平成22年度調査の結果を19日、公表した。薬事法遵守への取り組みの必要性が改めて浮き彫りにされる内容になっていた。
調査の結果、購入者が直接手に触れることができないように陳列すべき第1類医薬品(副作用のリスクが最も高い医薬品)について、89.7%は触れられないように陳列していたが、そうしていないところが10.3%で見つかった。
さらに第1類医薬品については薬剤師が購入者に対し使用上の注意事項など説明が必要だったが、6.5%で説明がなかったなど、安全性確保へ販売制度の徹底が求められることが浮き彫りになった。
また郵便などによる販売ではウェブサイトに薬局や薬店の管理者の氏名が記載されていないケースが7%あったほか、勤務する薬剤師や登録販売者の氏名についても31.5%で記載されていなかった。
また、第2類医薬品については郵便で販売が可能なのは特例として薬局や薬店がない離島居住者や薬事法改正前から継続して使用している医薬品に限り同様の医薬品については継続購入することができることになっているが、こうした条件にあわない調査員が注文したケースでも67.4%が購入できたことが分かり、薬事法遵守の徹底がここでも求められる結果になった。
次に、家庭や事業所に医薬品を予め預けておき、後に使用した医薬品の代金を集金する配置販売に関する調査では、55.8%がリスク分類別に陳列していない実態が浮かび上がった。また、利用者からの相談に対して78.8%は適切な説明があったが、22.1%で適切な説明がなかったとされ、定められた陳列の徹底と利用者への適切な説明が一層求められる結果となった。
今回の調査は調査員が一般消費者の立場で全国6829件の薬局や店舗販売業者の店舗を訪ね、店舗での販売状況について平成22年12月から23年2月にかけて調査した。また、郵便などによる販売に関しては販売サイト200件を対象に状況を調査。さらに配置販売業者の訪問を調査員が受けた事案(52件)から、配置販売の販売状況についても調査を行った。(編集担当:福角忠夫)