プライバシー保護の上で聴取票の開示が必要

2018年11月15日 06:03

 失踪した外国人実習生から聴取した「聴取票」の開示、不開示をめぐり、政府は「プライバシー」を理由に開示拒否、立憲民主など6党会派は問題解決と出入国管理法改正案の審議には実態を把握することが大事で、その資料がなければ実質審議ができない、と強く提示を求めている。

 安倍晋三総理は「聴取票を取りまとめた結果の公表については調査項目、結果の内容も含め慎重に検討中だが、聴取票の取り扱いについては刑事訴追を受ける可能性のある者から任意の聴取を行ったもので、今後の調査などへの甚大な影響や個人のプライバシー保護の観点から開示は困難」と国会で拒否答弁。

 一方、日本共産党の志位和夫委員長は「失踪した技能実習生への聴取票の開示をなぜ拒む」と疑問を呈し「聴取票は『失踪動機』『送り出し機関に払った金額』『送り出し機関以外に払った金額』『実習内容』『月額給与』『給与から控除される金額』『労働時間』などのデータが記されている」と聴取票が実態を知るうえで、重要な資料であることを示している。

 志位委員長は、そのうえで聴取票について「個人情報に配慮しつつ開示が法案審議の前提ではないか」と強く開示する必要性を提起した。求めている聴取票は2017年に失踪した外国人技能実習生2892人から失踪理由を聴取したもの。失踪原因の分析と解決策立案に貴重な資料だ。(編集担当:森高龍二)