帝国データバンクは負債総額１０００万円以上の円高関連倒産が２０１１年に８５件あったことが分かったと発表した。負債総額は１０３６億６９００万円になっていた。
この件数は帝国データバンクが集計を開始した２００８年以降で最多だった２０１０年（５８件）を大きく上回り、年間最多件数を更新するものになった。
倒産原因にみると大企業の海外シフトの動きを受けた受注減少から行き詰まるケースが３４件（４０．０％）で最も多く、デリバティブ損失による倒産も３２件（３７．６％）あった。業種別では卸売業が３９件（４５．９％）、製造業が３３件（３８．８％）などだった。
帝国データバンクでは「対ドル、対ユーロともに高値水準が続くなか、長引く景気停滞で体力的に限界に達しつつある中小零細企業を中心に円高倒産は引き続き高水準で推移する可能性が高い」と分析している。（編集担当：福角忠夫）
