安倍晋三総理は4日、伊勢神宮参拝後の記者会見で、外交問題などへの解決・前進に強い意欲を見せた。総理は「事情が許せば、今月下旬にロシアを訪問し、平和条約交渉を前進させる考えだ。プーチン大統領との間で、できるだけ交渉を進展させたいと考えている」とした。
総理は「ロシアとは北方領土問題を解決し、平和条約を締結する。戦後70年以上残されてきたこの課題に、次の世代に先送りすることなく、必ずや終止符を打つとの強い決意を昨年、シンガポールの地でプーチン大統領と共有した」と強調した。
また北東アジア情勢についても「昨年6月の米朝首脳会談により歴史的な転換点に差し掛かっている」とし「北朝鮮の核・ミサイル、最も重要な拉致問題の解決に向け、いかなるチャンスも決して逃すことなく果断に行動していく」とも述べた。
中国との関係では「昨秋の訪中で習近平主席と今後の両国の道しるべとなる3つの原則を確認した」と述べ「本年は、その本格始動の年であり、日中関係を新たな段階へと押し上げていく」と述べた。
総理の訪ロに先駆け、河野太郎外務大臣が12日から16日までロシアを訪ねる。ラヴロフ外務大臣と会談し、平和条約締結問題を始めとする日露二国間関係全般を中心に議論をする予定。河野外務大臣は4日夕の記者会見で「安倍総理とプーチン大統領の間で平和条約の締結に向けて様々加速化しようという話が首脳同士で行われているので、それに基づいてしっかりと交渉していきたい」と語った。(編集担当:森高龍二)