1956年共同宣言基礎に日露平和条約へ加速

2018年11月18日 07:09

 安倍晋三総理は日露首脳会談後、記者団に対し「通訳以外、私と大統領だけで平和条約締結問題について相当突っ込んだ議論を行った」とし「1956年共同宣言を基礎として、日露平和条約交渉を加速させる。本日そのことで、プーチン大統領と合意した」と語った。

 安倍総理は「2年前の長門(ながと)での日露首脳会談以降、新しいアプローチで問題を解決するとの方針の下、元島民の皆さんの航空機によるお墓参り、共同経済活動の実現に向けた現地調査の実施など、北方四島における日露のこれまでにない協力が実現している」と強調。

 そのうえで「信頼の積み重ねの上に、領土問題を解決して、平和条約を締結する。この戦後70年以上残されてきた課題を、次の世代に先送りすることなく、私とプーチン大統領の手で必ずや終止符を打つという強い意思を大統領と完全に共有した」と述べた。

 また「来年のG20でプーチン大統領をお迎えするが、その前に、年明けにも私がロシアを訪問し、日露首脳会談を行う。今回の合意の上に私とプーチン大統領のリーダーシップの下、戦後残されてきた懸案、平和条約交渉を仕上げていく決意だ」と強い意欲を示した。

 ただ、1956年(昭和31)に調印、批准された日ソ共同宣言では平和条約締結交渉の継続と平和条約締結後の歯舞群島・色丹島の返還などを内容としていて、北方四島のうち、国後、択捉はなっていない。1956年の日ソ共同宣言を基礎とした交渉の行方そのものは不透明だ。(編集担当:森高龍二)