政府統計信用できないが78.8%

2019年01月15日 08:33

 賃金や労働時間、雇用変動などの重要な実態を把握するための基幹統計となる毎月勤労統計調査が不適切に実施されていた問題で、共同通信社が12、13日に実施した全国電話世論調査の結果、政府統計を信用できないとした回答が78.8%にも上り、政府統計への信頼が大きく損なわれたこと浮き彫りになった。

 信用できるはわずかに10.5%にとどまった。また根本匠厚生労働大臣の説明などに対しても「納得できない」とする回答が69.1%にのぼり、納得できるは18%になっていた。

 立憲民主党の長妻昭政調会長(元厚労大臣)は今回の事態を受けて、国会各委員会を中心にすべての省庁の統計を見直し、立て直す必要がある、と提起した。そのうえで「国家の信頼性を揺るがしかねない大きな問題だ」とし「しっかり取り組む」とした。

 政府統計をめぐっては安倍政権下で、2016年12月にそれまで加えていなかった「研究開発費」を『設備投資』に加え名目GDPのかさ上げを図ったとの提起や2018年1月から賃金統計に大手企業を多く組み込むことで賃金の上昇を印象付ける操作が行われたなどの指摘もあり、統計手法の変更で、変更前のそれまでの数値との比較が正確なのか、統計手法変更前との比較データの公表も求められる。(編集担当:森高龍二)