ホンダ、英国のEU離脱を巡り英国撤退を決定。英南部のスウィンドン工場閉鎖

2019年02月20日 06:50

Civic Hatchback Prototype at Geneva Motor Show 2016

ホンダの英国スウィンドン工場で生産し、日本に輸出している主力生産車「CIVIC」、次期モデルは日本国内生産か?

 ホンダは欧州唯一の生産拠点である英国工場を2022年に閉鎖する方針を固めたと米テレビCNNや英・国営放送BBCが報じた。

 閉鎖するのは英南部のスウィンドン工場。同工場では2018年に主力車シビック(CIVIC)などを約16万台生産し、日本を含む世界へ輸出していた。この工場の生産能力は25万台/年あるが、欧州市場でのホンダ車の販売は年間10万台強とシェア1%程度で、ホンダの欧州四輪事業は販売低迷から赤字が続き、工場の稼働率も低迷していた。

 ホンダにとって欧州唯一の英国工場を閉鎖する理由は明らかにされていないが、英国の欧州連合(EU)離脱に伴い欧州事業の不透明感が一段と増したことが原因のひとつとされる。英国のEU離脱を巡り自動車業界では、ミニ(BMW)やジャガーなどが生産拠点の一部移設や一時休止などを発表しているが、ホンダは英国から完全撤退に踏み切る。従業員3500人は解雇する見通しだ。

 ホンダは英工場で主力車シビックに生産を集中し、日本や米国向けに供給してきた。また、同工場ではシビックの次期モデルの生産を20年代初頭に行う計画だったが、英国がEUとの合意なく離脱する公算が強まり、輸出拠点として英工場を残す戦略も不透明になっていた。

 英国のEU離脱を巡って、先般日産も英国工場で予定していた主力SUV「エクストレイル」の生産計画を白紙撤回した。トヨタも合意なき離脱の場合は休止も検討する。また、パナソニックやソニーが英国にある機能を欧州大陸側に移すなど戦略の見直しが進んでいる。EU離脱を巡る不透明感が高まる英国経済にさらに衝撃を与えそうだ。(編集担当:吉田恒)