NHKのOBら 公共放送の原則に立つ政治報道要望

2019年03月28日 06:52

画・進むテレビのネット配信 NHKの来春ネット同時配信に民放テレビ局はどう動く?

要望では「政治報道に関して政府広報ではないかという批判が市民の間から強く上がっている」とし、事例をあげ改善を求めている

 NHKで報道に携わってきたOBらをはじめ日本ジャーナリスト会議、全日本放送受信料労働組合などNHKとメディアの「今」を考える会が27日までに、NHKの上田良一会長に「政府から独立した公共放送の原則に立つ政治報道を求める」要望書を提出した。

 要望では「政治報道に関して政府広報ではないかという批判が市民の間から強く上がっている」とし、事例をあげ改善を求めている。

 それによると「安倍首相は国会で『都道府県の6割以上が自衛隊へ協力していない』、だから憲法改正が必要だ、と主張したが、新聞や民放ニュースはすぐに調査・取材して、実際はおよそ9割の自治体が何らかの協力をしていることを明らかにし、首相発言は正確ではない、と伝えた。NHKはこの件について少なくとも2月までの報道では検証を行っていない。NHKでは安倍首相批判はタブーのように見える」と指摘。

 また「今年1月、辺野古に軟弱地盤があり、防衛省が設計変更を検討していることや政府が県に無断で土砂規準を変更し、辺野古埋め立て地に赤土が投入されている疑いがあることなどが相次いで明らかになり、民放ニュースでは伝えられたが、その時点での『ニュースウオッチ9』では報道されなかった」などとしている。

 また政府発表の呼称に従う傾向があるとした。具体例として「共謀罪法国会審議報道では政府が発表した『テロ等準備罪を新設する法案』という呼称が使われ続けた。韓国徴用工裁判報道では、当初、『徴用工』問題としていたのを、政府が徴用工を『朝鮮半島出身労働者』と表現したあとは『徴用』問題という表現に変え、『徴用工』という用語をニュース項目で使わなくなった」と指摘。

 また森友・加計学園問題に関して「NHKニュースではいくつかの重要なスクープがあった。その一方で、報道局幹部による報道の抑制があったことがメディアで伝えられている。2017年、NHKが『総理のご意向』などの文科省文書を入手したのに、スクープとして報じられず、前川喜平前事務次官の単独インタビューも放送されなかった。最近では、森友学園についての大阪局取材のニュースに、東京の報道局幹部が圧力をかけたと、このほど退職した大阪局の元記者が告発している」とし「政府から独立した公共放送の原則に立つ政治報道を」行うよう求めている。(編集担当:森高龍二)