神話を史実と誤解与える報道、NHK会長釈明

2019年05月12日 08:43

 NHKが4月18日のニュース番組で当時の天皇・皇后両陛下が伊勢神宮を参拝された際の報道で「皇室の祖先の天照大神をまつる伊勢神宮の内宮にそれぞれ参拝されました」と報じた問題。

 NHKの上田良一会長は9日の記者会見で釈明したと毎日新聞が報じた。上田会長は天皇の祖先が天照大神と「史実」であるかのような報道になったことについて「内宮の説明で丁寧さを欠いた」と釈明したとしている。「天皇を神格化しようといった特別な意図があったわけではない」と。会長の会見要旨はNHKHPに掲載されているが、この部分についての紹介も、弁明もない。

 本来「天皇の祖先とされる天照大神」など、史実と誤解を与えないよう報道すべきだが、NHKは「皇室の祖先の天照大神をまつる」と報じた。NHKはニュースサイトの記事について既に「皇室の祖先とされる天照大神をまつる」と修正しているが、ニュース番組で報じたにもかかわらず、報じたニュース番組内での訂正を行っていない。

 「神格化する意図があったわけではない」と弁明しても、皇室の祖先が天照大神と誤解を与える結果になる報道をしている以上、報じたニュース番組内で訂正放送するのが本来の訂正(修正)。

 神話につなげる結果となる報道には批判の声があり、ネット上では「一部、丁寧さを欠いたのではなく、神話を史実に捏造しようとした。天皇の神格化の意図」「公共放送が歴史的事実と神話をニュースで混同させてしまうようになっては、いよいよ報道機関としては末期症状でしょう」との声があがる。番組内での修正が強く求められる。(編集担当:森高龍二)