「一世一元」を定めた元号法に基づき、今上天皇の皇位譲位に伴い5月1日から元号は「令和」になるが、菅義偉官房長官は元号の使用について3日の記者会見で「政府として使用を強制するものではない。公文書においても特に規定は設けていない」とした。当然ながら「国民は『西暦』、『元号』を自由に使い分けて頂いて良い」と語った。
一方で各省庁、自治体など公的機関に対しては「従来から原則として元号を使用してきたのであり、この慣行は当然、続けられて行くべきものと考えている」とした。
元号は中国から伝わったものだが、本家の中国でも『公歴』を『西暦』にしており、公的機関においても西暦を優先し、元号を使用する場合は併記する形での使用が望ましいとの意見もある。
菅官房長官は国民が公的機関の窓口に書類を提出する際の元号使用するは「あくまで協力要請」にとどまるもので「西暦を記入したものも受け付けられる」とした。
元号が中国に由来し「君主が空間だけでなく、時間まで支配するとの思想に基づくもの」であることから、国民主権の原則になじまないと違和感を持つ国民もいれば、国際化する生活で日常的に西暦を使用している国民も増えている。公的機関への書類提出にも国民の側で自由に判断できるとの姿勢を示した。(編集担当:森高龍二)