常軌逸し、国益損なう発言と自公がけん責決議案

2019年05月22日 07:01

 自民党と公明党が北方4島を巡る問題で「戦争しないとどうしようもなくないですか」などとした丸山穂高衆院議員の発言をめぐり、21日、丸山議員への「けん責決議案」を提出。決議案では「憲法の平和主義の認識を欠き、我が国の国益を大きく損ない、衆院の権威と品位を著しく貶(おとし)めた」としている。

 その一方で、丸山議員が所属していた維新もことの重大さから「議員辞職勧告決案」を他の5党派とともに共同提出する中、自公が反省を促すだけのけん責決議案を提出した姿勢には国民から疑問視する声もでている。

 自民、公明のけん責決議案では、丸山議員の発言について「常軌を逸した言動」と指摘したうえで「元島民の方々のお気持ちを傷つけただけでなく、特に『憲法の平和主義をおよそ理解していない』戦争発言は、国民の悲願である北方領土返還に向けた交渉に多大な影響を及ぼし、我が国の国益を大きく損なうものと言わざるを得ない」と平和主義を理解していないうえに、国益を損なう発言だとしている。

 また「我が国憲法の基本的原則である平和主義の認識を欠く議員の存在を国内外に知らしめ、衝撃を与えた事実は否めず、本院の権威と品位を著しく貶(おとし)める結果となったと断じざるを得ない」としている。

 自民、公明はここまでの認識を示しながら「議員の身分に関わることは慎重に取り扱う必要がある」などとして、けん責決議案提出にとどめた。これには「甘いのでは」との声もある。丸山議員を除名処分にした日本維新の会や立憲民主など6党派は丸山議員への「議員辞職勧告決議案」を提出している。(編集担当:森高龍二)