物やサービスを購入してお金を払うという行為は誰もが当たり前のようにしている事だ。持っている紙幣や貨幣の量が多ければ多いほど、人は自身の豊かさを実感して消費行動に繋がっていく。ところがキャッシュレスの時代に突入した今、目には見えないお金のやり取りは現実に日々行われている。数年前までと比べれば、キャッシュレスに対する人々の認識もより肯定的に変化している事だろう。便利でスムーズな支払いの手段として、キャッシュレス決済は日本人にも確実に浸透しつつある。
電通キャッシュレス・プロジェクトはインターネット上にて生活者のキャッシュレス意識に関する調査を実施した。世の中はキャッシュレス社会に向かっている。そう認識している人は全体の約9割にも及んでいたことがアンケートの結果分かった。キャッシュレスと耳にして思い浮かぶ決済方法はいくつかあるだろう。昔から存在している決済手段と言えばクレジットカードである。一台以上のスマートフォンを誰もが所持している時代とあって、スマホ決済に興味を持っている人も少なくはないはずだ。
現金を使う事のメリットや、キャッシュレス決済を行う上でのリスクなど、かつての支払い方法にこだわった考え方を持つ人も中にはいる。それを完全に否定するのも正しくはないのかもしれない。しかし自分の支払いをできるだけキャッシュレスにしたいと考える人は、アンケートによると7割に達していたことが分かった。現金支払いにこだわる人がいる一方、キャッシュレスに移行する考えの人も着実に増えている。
政府の経済対策においてもキャッシュレスへの期待値は高い。昔から馴染み深いクレジットカードに加え、今後の課題となるのはスマートフォン決済の利用率だろう。スマホ決済の認知という面に関して言えば、アンケート回答者の約8割が知っていると答えた。しかし利用経験ということになると約2割にまで落ち込んでいる。クレジットカードのようにサインの記入や暗証番号の入力を省けるスマホ決済は、支払いの場面で時間と手間の節約を実現させる事ができる。日本人の多くがキャッシュレスに移行していく中、便利で新しい決済手段が今以上に浸透していく余地は大きく残されているだろう。(編集担当:久保田雄城)