安倍晋三総理の街頭演説に「安倍辞めろ」と叫んだ男性を北海道警察の警官数人が取り囲み、その場から排除、「増税反対」と叫んだ女性に対し2時間以上拘束した事件で、東京都の男性が北海道警察の警官を特別公務員職権濫用罪、公務員職権濫用罪で22日までに札幌地検に刑事告発した。
憲法が保障する「表現の自由」の侵害になりかねない重大事件だけに、今回の警官の行為が合法行為だったといえるのか、再発防止のためにも司法の場で明確にされることに期待する声が強い。
そもそも国政政党の党首や幹部の街頭演説に野次や政策に反対を訴える声が飛ぶのは民主主義国では当たり前。メガホンも持たず、暴力行為に出る危険もない一般市民の1人での肉声の叫び声が演説妨害行為とまでいえる程度に重大な事案だったのか。
北海道警察の今回の行動に対しては自由法曹団北海道支部など弁護士団体や市民団体も排除の根拠が不明で「政治的発言に対する警察官による違法な排除行為」として、合法な行為であることの説明を求めている。
北海道警察は「トラブルの未然防止」と説明しているが、今回行為の法的根拠についてコメントできていない。民主主義の根幹をなす「表現の自由」にかかる問題だけに、今回の行動基準を明確かつ客観的なものにするためにも司法判断を仰ぐことが期待される。
日本共産党の志位和夫委員長はツイッターで滋賀県大津市でも安倍総裁演説中に野次を飛ばした男性が警官に囲まれる事件が起きたことに「札幌に続き、大津でも。公共の場、肉声でヤジを飛ばすことを『選挙妨害』とはいわない。モノ言えぬ警察国家にしてはなりません」と警鐘を鳴らしている。ネット上には「共産党の演説は野次っても大丈夫なのか。答えられよ」と警察に疑問を投げる書き込みもある。(編集担当:森高龍二)