トヨタ、部品共販店とタクティーを統合し新会社設立の検討開始、来年4月設立

2019年07月24日 05:26

 トヨタ自動車は、国内の補修部品・用品事業の競争力強化に向けて、全国のトヨタ部品共販店33社およびタクティーを統合した、新会社設立の検討を開始した。来年4月の事業開始に向けて、今後詳細を決定していくとしている。

 トヨタ部品販店33社は、これまでおもにトヨタ自動車の補修部品・用品の販売店などへの卸売・供給を行ない、各県に約280拠点を持っている組織だ。いっぽうのタクティーは、トヨタ純正以外の部品・用品の卸売、カーショップ「ジェームス」のフランチャイズ事業を展開している。

 トヨタは、100年に一度と言われる自動車業界大変革の時代、モビリティカンパニーへの脱皮を目指し、より地域に根差した新たな販売ネットワークの変革に取り組んでいる。また、CASE(コネクティッド、自動化、シェアリング、電動化)の進展により市場の変化が加速するなか、アフターサービスのあり方・部品用品の販売や物流のあり方も変化に即していく必要があるとしてきた。

 現在、部品共販店が、トヨタ純正部品用品やタクティー扱い商品を、主にトヨタ販売店を通じて、全国に向けタイムリーに提供している。今回の統合計画は、このような当該会社の強み・ノウハウを結集し、経営資源を総合的・効率的に活用することにより、トヨタグループの国内における補修部品・用品の分野での競争力を高め、かつ地域に根差したモビリティサービスなどを加速させることを狙いとしている。

 新会社(名称未定)では、共販店とタクティーがひとつの会社になることにより、おもに下記3点を推進するという。

 まず、日本が直面する物流に携わる労働力やトラックドライバーの不足に対し、これまでの共販店33社毎のテリトリーを越えた配送体制や倉庫配置など、効率的な物流ネットワークの構築を目指す。

 安全な運転をサポートする「後付け踏み間違い加速抑制システム」などの純正品の販売・供給に加え、新会社が、安全や使いやすさに配慮した商品を企画することにより、さまざまなニーズに対応した「もっと良い商品」を提供する。

 トヨタが販売店とともに取り組むモビリティサービスや地域の困りごとサポートに対し、統合による効率化で空いた倉庫スペースや配送ネットワークの活用を具体化するとしている。

 新会社の資本金は未定だが、格式構成はトヨタ51%、トヨタ販売店など49%とし、本社を名古屋市に置く。従業員は約9300人。(編集担当:吉田恒)