国土交通省は八ッ場ダム建設事業を継続する決定を22日下した。
国交省は(1)利根川流域の平野部がかつて氾濫原であり、安全な土地を生み出していくために長年に渡り様々な治水対策に取り組んできたが、人口・資産の集積により災害ポテンシャルが高いという流域特性があること(2)八ッ場ダムは遊水池等の代替案と比較して、短期間で大きな効果が得られる対策であることが検証において確認されていること(3)東日本大震災から得られた教訓を整理した知見・情報により、浅間山噴火の際には八ツ場ダムが泥流等への安全装置として機能すると考えられることなどを継続決定の根拠にあげたほか「6都県の知事の意見についても重く受け止める必要がある」と継続根拠のひとつにあげた。
国交省では今後の取り組みとして(1)可能な限りのコスト縮減(2)工期短縮(3)地元住民の生活再建について万全を期すとする従前の方針を堅持する(4)できるだけダムに頼らない治水をさらに希求し、その内容を利根川河川整備計画に反映させる(5)八ツ場ダム事業に対する多くの疑問については重く受け止め、今後とも理解を得るよう努めていく、などとしている。(編集担当:福角忠夫)