全ての人が基礎的医療を享受できる社会を 総理

2019年09月26日 06:19

 安倍晋三総理は日本時間の24日、ニューヨークで開かれた国連加盟国(193か国)によるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)ハイレベル会合に出席し、各国首脳に「今でも世界の約半分もの人が基礎的保健医療サービスを受けられていない。私は人間の安全保障の観点からも、世界のUHCの実現を希求する。全ての人が将来にわたって基礎的医療を享受できる社会を実現しよう」と訴えた。

 会合では「2030年までにすべての人に基礎的医療を提供する」ことを盛り込んだ政治宣言を承認。安倍総理はこれにも触れ「UHC政治宣言がまとまったことは大きな前進だ。世界のリーダーが協力してUHC政治宣言の約束を果たそう」と呼び掛けた。

 また安倍総理は「日本は第二次大戦直後の混乱と貧困を乗り越え、1961年に国民皆保険制度を導入し、UHCを達成した」と紹介。「(これにより)支払可能な費用で保健医療サービスを受けることが可能となり、日本の社会経済発展、健康長寿の達成を支えた。この経験に根ざし、私はこれまでも世界の人々にUHCの必要性を広く訴えてきた」と語った。

そしてUHCを後押しするために「日本は被援助国における人材を養成し、健康保険を拡充する。栄養・水・衛生等の分野横断的な取り組みを後押しする。そのために民間との連携を促進し、効果・効率を高める」と述べた。

また「UHCには財政強化が必要」とし「最も弱い立場にある人々に質の高い基礎的医療サービスを提供するためには安定的な財源、適切な予算配分が不可欠。財務当局と保健当局が連携し政府一体となった取り組みが必要」と訴えた。

安倍総理は「UHCの推進のためには成果の確認と国際的な説明責任の枠組が不可欠」とし「来年のUHCフォーラムや東京栄養サミット等の機会に各国がお互いのUHC進捗を点検し、情報共有を行うべきだ」と提案した。(編集担当:森高龍二)