全世代型社会保障検討会議の初会合が20日開かれ、総理を議長に全世代型社会保障改革担当、財務、総務、厚労、経産、内閣官房の各閣僚と中西宏明経団連会長(検討会には日立製作所取締役会長の肩書で起用)ら9人の民間議員で、年金・医療・介護制度の持続性を高めるための議論を進め、年内に中間報告、来夏までに最終報告を取りまとめることを決めた。
安倍晋三総理は検討会で「70歳までの就業機会や兼業ができる環境整備、年金受給開始年齢の選択肢拡大、年金・医療・介護・労働など社会保障全般にわたる持続可能な改革を検討する」旨を語った。
ただ、民間議員9人はすでに経済財政諮問会議など政府の諮問機関に民間議員として参画する顔ぶればかり。政府・与党の意向に沿った報告にならないか、顔ぶれからいぶかる声もすでに上がっている。
石破氏はBSフジの20日のニュース番組で「医療・介護を受ける側の気持ちを受け止めて会議を進める必要がある」と提起した。国民感覚から乖離した報告書にならないようけん制し、注意を促したものとみられる。
また石破氏は「あらゆる議論をオープンに、なんだったら中継してください」とも述べ「誰が何を言ったかは絶対に必要。都合の悪い発言はなかったことにするなんぞとすることは、この会議において絶対にあってはならない。名前を出せないような責任のない発言をしてはいけない」と断じた。
また「あらゆる社会保障に関係する人、例えば医師・歯科医師・看護師・歯科衛生士・歯科技工士・薬剤師、介護においても介護士など、そして介護を受ける側、医療を受ける側、提供する側より受ける側の人たちが参加することがとっても大事なことだ」と訴えた。
石破氏は「2040年には介護にかかる費用は2.4倍、医療にかかる費用は1.7倍になる。人口は1500万人程度減る。そうした共通認識を持ったうえで、受ける側はどう思っているか。介護を受ける側、医療を受ける側の気持ちをきちんと反映することが大事だ」と提起した。(編集担当:森高龍二)