原告勝訴も地中ゴミの真相は未解明 森友問題

2019年12月19日 06:58

 「政治家は誰も責任をとっていない。追及を続ける」(原告・木村真大阪府豊中市議)。森友学園への国有地売却をめぐり地中のゴミを理由に8億円値引きし、1億3400万円で売却された問題。

 木村市議が価格や値引き理由について近畿財務局が当初、情報公開請求に応じなかったのは不当と国に賠償を求めていた裁判で、2審の大阪高等裁判所の中本敏嗣裁判長は17日、価格とともに、値引き理由についても開示すべきだったとし、開示しなかったのは違法との判決を下した。

 1審では価格不開示は違法としたが、値引き理由の開示については「ゴミの存在が公になれば学園の利益を害する恐れがある」などとして非開示を認め、値引き理由の開示については原告の訴えを退けた。

 2審は「売却価格だけでなく、算定した根拠も公表すべきとの要請は高い」と周辺価格との取引価格の大きな格差は「不当な譲渡」との疑いを持たせるとして、開示しなかったのは違法とした。

 原告勝訴だが、8億円の値引きを妥当とするゴミが実際に地中に存在したのかどうか、現在も未確認のままになっており、国有地売却をめぐる「森友問題」は解明されていない。(編集担当:森高龍二)