新型コロナウイルスの影響、訪日客意識調査。旅程の変更はしなかった、96%など

2020年02月09日 12:12

画・新型コロナウイルスの影響、訪日客意識調査。旅程の変更はしなかった、96%など。

サーベイリサーチセンターが「新型コロナに関する訪日外国人の意識調査」。

 昨年12月より中国武漢を発生源とする新型コロナウイルスによる肺炎が確認され多くの感染者と死者が出ており、日本をはじめ感染者は世界に広がりつつある。日本においては流行の時期が多くの中国人訪日客が来訪する春節の時期と重なり、観光地によっては通常の10分の1の来客にまで減少し、観光業を中心に経済への影響も出始めている。

 市場調査業のサーベイリサーチセンターが1月29日に「新型コロナウイルスによる肺炎に関する訪日外国人の意識調査」を東京タワーにおいて実施し、その結果を4日に公表した。調査対象者は256名で国・地域別の内訳は中国が29.3%、台湾7.8%、香港4.7%などである。

 「新型コロナウイルスをいつ知ったか」という質問に対しては、「発生国で抑え込みを指示」や「発生国地域で移動の制限」の報道があった1月16日~23日が29.7%と最多となっている。

 「新型コロナウイルスの影響で旅程の変更をしたか」どうか尋ねた結果では、「旅程の変更をした」旅行者は6.6%にとどまり、85.9%は「旅程の変更はしなかった」とほとんどが旅程の変更はしなかったようだ。

 旅程を変更した者にその理由を聞いたところ「発生国地域での感染拡大の報道」が47.1%と最も多かった。その情報源については、「母国のテレビや新聞等のWEBサイト」が66.8%と最も多く、次いで「友人のメールやSNS」が55.1%、「日本のテレビやラジオ」が19.1%となっている。この内、最も役に立った情報源について聞いたところ、「母国のテレビや新聞等のWEBサイト」が48.2%、「友人のメールやSNS」29.2%となっており、「日本のテレビやラジオ」はわずか4.7%にすぎなかった。

 滞在していたホテルで「情報の提供があったか」また「理解できたか」と聞いた結果では、「情報の提供があり理解が出来た」が30.5%であった一方で「情報の提供は無く自分で探した」が55.5%と半数を超えている。

 ホテルでの対策は、「アルコール等の洗浄剤の設置」が51.6%、「手洗い・うがい等の実施の指示」16.4%、「マスクの配布」12.5%となっているが、また「特に対策は無かった」も34.4%存在した。

 希望する対応としては「医療機関情報などの提供」が43.0%、「インフォメーションでの情報提供の充実」42.6%、「ホテルでの感染症対策の指導等」32.4%となっている。

 すでに観光業では大きな影響が出ている。早期の収束を期待する。(編集担当:久保田雄城)