新型コロナウイルス感染の拡大に伴い7日に非常事態宣言が発令された。生活必需関連以外の店舗は休業となり、政府は一般企業にも従業員の在宅勤務を要請している。大手企業を中心にリモートワークを利用した在宅勤務をする者が急増している。
IT企業の中には中小企業向けにリモートワーク・システムを無償配布するところも少なくなく、コロナ終息以降をにらんだ戦略が活発化している。国を挙げた新型コロナ感染症対策の中で経済社会や人々の働き方が大きく変化して行くことは間違いなく、人々のキャリア形成のあり方、考え方に大きな影響を与えつつあるようだ。
キャリア育成スクールを運営するSHEが3月下旬、20代から40代の働く女性184名を有効回答者として「新型コロナによる働き方への影響調査」を実施、その集計結果を8日に公表している。
レポートによると、「経済面で目先の不安が増えたか」という質問に対して、「非常にそう思う」と答えた者の割合は35.5%、「そう思う」が39.6%となっており、合計すると75.1%、4人に3人が「目先の経済的不安」を抱えているようだ。ちなみに「どちらでもない」は7.6%、「あまりそう思わない」14.6%、「まったく思わない」2%となっている。「月々の収入の変化」について聞いた結果では、「減った」が16.3%、「変わらない」が83.7%となっている。
自由記述欄で不安の内容を見ると、「サロン業務のため、イタリアのように外出禁止になった場合、お店の廃業の可能性もある」、「いつクビにされるか不安」などとなっている。
キャリアへの価値観の変化としては、「大企業に属している方が安心」に「そう思う」と答えた者が27.1%に対して「企業に依存しない生き方を身につけたい」が53.2%と約2倍となっており、89.1%が「今後の中期的な生き方やキャリアを考え直したい」と答え、企業に依存しない生き方を模索し始めているようだ。
新型コロナの影響により新しく興味・関心が湧いた生き方・働き方については、「副業を始めたくなった」と回答したものが82%もいるほか「リモートワークできる職種」、「スキルアップ」、「自給自足」、「投資、不動産などの不労所得」など多岐に渡っている。
新型コロナ感染症が人々の働き方、キャリア形成の考え方に大きな影響を与えているようだが、具体的な内容については模索中という状況のようだ。(編集担当:久保田雄城)