自粛の時間をどう過ごす?「巣ごもり」時間の有効活用。最新のIoT機器を電子工作で

2020年04月19日 10:03

自作リモコンの写真

最新のIoT機器まで個人でも簡単に自作できてしまう

 自宅での時間の過ごし方に今、大きな関心が集まっている。

 以前から屋内でできるような趣味を持っていた人にとっては、それに没頭する時間に充てることもできるだろうが、突然の在宅勤務や外出自粛要請のお陰で、時間を持て余しているという人も多いのではないだろうか。

 通販やネットショッピングでは、ゲーム機やオモチャ、漫画などの売り上げが伸びており、休校が続いている子どもたちのために親が買い与えていると思われる。中でも任天堂の大ヒットゲーム機「Nintendo Switch」は人気が高く、品薄状態が続いているため、ネットオークションでも中古品が新品を上回る値段で売買されている状況だ。

 家電業界では調理家電の売れ行きが好調だ。とくにホットプレートやハンドミキサーなどが例年の倍近く売れているという。外食の自粛により、自宅で調理をする時間が増えたことに加え、子どもたちと一緒に焼きそばやたこ焼き、ケーキなどを作る家庭が増えているようだ。

 ゲームや料理も良いが、この機会に新しい趣味を始めてみるのもいいかもしれない。ここ数年のブームになっているDIYや、ピアノなどの楽器演奏に挑戦してみるのもいいだろう。

 しかし、ここでは難しいイメージもある電子工作を、子どもたちと一緒に楽しめる趣味としておすすめしたい。

 電子工作といえば、一般的には子どもたちの夏休みの宿題イメージが強いかもしれない。とくに昭和の時代に生まれたお父さんたちは、電子部品をつないでライトを付けたり、模型の自動車や簡単なロボットを動かすようなものを想像してしまうのではないだろうか。しかし、今の電子工作は侮れない。なんと最新のIoT機器まで、個人でも簡単に自作できてしまうのだ。

 背景として、センサや無線通信のキットが、わざわざ専門店まで探しに行かなくても、ネットの通販で簡単に手に入るようになったことが挙げられる。たとえば、これらの部品をArduino(アルディーノ)やRaspberry Pi(ラズベリーパイ)などのマイコンボードに組み込めば、Amazon EchoやGoogle Homeのような、「声」だけでさまざまな電化製品のON/OFFができるマルチリモコンを作ることができる。既存のサービスを利用するのも良いが、子どもたちと一緒に自作したマルチリモコンの方が愛着もわくだろうし、製作段階から家族で盛り上がれるのではないだろうか。詳しい作り方などは、電子部品メーカーのローム社が、同社HPのブログページや「Device Plus」というサイトの記事の中でも紹介している。マルチリモコン以外にも、アイディア次第でさまざまなIoT機器を自作することができるので、参考にしてみてはいかがだろうか。

 IoTはすでに身近なものになりつつあるが、今後はもっと生活の中に浸透してくるだろう。書籍や記事などを読んだりしただけでは、なかなか理解できないような電子回路も、電子工作でIoT機器を自作してみることで理解できるし、子どもたちの興味も膨らむのではないだろうか。もしかすると、意外な才能を開花させることもできるかもしれない。

 新型コロナウイルスの終息まで、まだまだ先が見えない状況の中、不安ばかりが募ってしまうのも無理はない。しかし、自宅時間を充実させることで、その不安を少しでも和らげることができるかもしれない。せっかくの時間なのだから、電子工作やDIYなど、子どもたちと一緒に夢中になって何かに取り組んでみる時間にするのもいいのではないだろうか。(編集担当:藤原伊織)