新型・次世代太陽電池の世界市場、多様な素材で商用化や研究開発が進み市場拡大傾向

2020年03月13日 06:24

画・新型・次世代太陽電池の世界市場、多様な素材で商用化や研究開発が進み市場拡大傾向。

富士経済が新型・次世代太陽電池の世界市場を調査。2019年の既存太陽電池(結晶シリコン等)市場は4兆1730億円

 地球温暖化対策として再生可能エネルギーの利用が注目を浴びている。中でも発電分野での脱火力、脱原発は大きな課題だ。電力分野での再生可能エネルギーとして期待されているのは太陽光や風力であるが、太陽光発電ではシリコンを素材にした太陽電池が主流となっている。しかし近年、価格面での課題が残るものの色素増感太陽電池など発電性能や耐久性で既存の太陽電池に代替する可能性を持った新素材の太陽電池も次々と開発され実用化されているようだ。

 5日、総合マーケティングの富士経済がペロブスカイト(PSC)、色素増感(DSC)、有機薄膜(OPV)、ヒ化ガリウム(GaAs)といった新型・次世代太陽電池の世界市場を調査し、その結果を「2020年版 新型・次世代太陽電池の開発動向と市場の将来展望」として取りまとめ、これを公表している。

 レポートによると2019年の結晶シリコン、CIS/CIGS、CdTeなど既存太陽電池の市場は4兆1730億円と見込まれている。これに対して新型・次世代太陽電池市場は6億円で、今のところ新型・新世代のシェアは僅かなものにとどまっているようだ。

 しかし、色素増感は通信・センサー用、有機薄膜は建材用の電源として採用が進みはじめている。結晶シリコンなどの既存太陽電池の代替を狙っているのはペロブスカイトで商用化が進めば既存の太陽電池市場の地図を大きく塗り替える可能性があるようだ。既存太陽電池の代替となるための課題は製造コストで、結晶シリコン太陽電池の20円/W台やCdTe太陽電池のより安価なコスト目標などをクリアする必要がある。

 品目別に見ると、色素増感がIoT化の進展によって通信・センサー用電源として採用が進みはじめ、その他電源にはない優位性を持つため今後の伸びが期待される。有機薄膜は日本では研究開発段階だが世界的には建材一体型太陽電池として採用が進んでいる。既存太陽電池と競合するが半透明でも一定の発電量が得られ既存太陽電池では不向きな壁面設置が可能なことや高温・高緯度地域に適しているなどの優位性を持ち今後世界的に普及が進むと予想される。

 レポートは、以上のような見込みから30年の新型・次世代太陽電池の世界市場を4563億円とし、既存太陽電池市場のおよそ10分の1にまで達すると予測している。(編集担当:久保田雄城)