9月入学議論よりオンライン教育の整備議論が先

2020年05月15日 06:03

 新型コロナウイルス感染症の影響を受け、休校が続いていることから「9月入学」が急浮上しているが、日本経済団体連合会の中西宏明会長は今週の記者会見で「オンライン教育を可能とする仕組みづくりなどの議論が先だろう」と義務教育課程を含んでの9月入学については「関係者間でよく議論して決めていく必要がある」と時間をかけて議論していくよう提起した。

 中西会長は大学については9月入学に反対していない。ただ会見で「欧米の大学の入学時期やグローバル人材の育成の必要性等を踏まえると、大学の9月入学については、基本的に反対ではない」としたうえで「より幅広い初等・中等教育なども含めた話になると、検討すべき事柄が多く、関係者間でよく議論して決める必要がある」と慎重な議論を求めた。

 そのうえで、中西会長は「諸外国に比して日本の教育現場のデジタル化の遅れは顕著」とし「コンテンツの準備などを含め、オンライン教育を可能とする仕組みづくりなどの議論が先であろう」と強調した。オンライン教育については大学レベルでも学校間に格差が生じている。(編集担当:森高龍二)