新型コロナウイルス感染症対策の一環として2月27日に安倍総理が全国一斉休校を自治体に要請して以来、大都市圏では休校の状態が続いている。要請後1カ月ほどたった時期に再開の動きも一部に出てきたものの、3月下旬の小池都知事の重大局面の発表や7日の非常事態宣言の発令によって大都市圏を中心に引き続き5月6日まで休校状態が続く。
児童のいる世帯では保護者が仕事を休む必要が出るなど混乱が続くが、児童の学習や生活態度についても悩みを抱えている保護者が多いようだ。
教育サービス事業のやる気スイッチグループが自社のスクールに通う2歳~18歳の児童の保護者約500名を対象に一斉休校期間中の過ごし方に関して3月下旬にアンケートを実施、7日にその集計結果を公表した。
集計結果によると、「一斉休校で困ったこと、不安に感じたことは何か」と複数回答で尋ねた結果では、「運動不足」と答えた保護者の割合が71.5%と最も多くなっている。次いで、「生活リズムの崩れ」が56.9%、「部活や習い事がなくなった」47.7%、「自宅学習で集中力が続かない」45.4%、「学校で勉強できなくなった」44.8%、「楽しみにしていたイベントの中止」43.9%の順となっている。
自由記述から「自宅学習で感じた悩みや不安」を抽出すると、「集中力がない・集中できない」が20.1%で最も多く、「進んでやらない・自発的にやらない・やる気が入らない」が15.3%、「勉強時間が短い・勉強量が少ない」10.2%などとなっている。
自由記述を見ると、「小学校高学年は自主学習が出来るが、低学年は1時間も持たない」、「子供が自発的に学習を進めることは無かった」、「家ではせいぜい15分ほどしか集中できない。漢字ドリル1枚と算数ドリル1枚が精一杯」、「ドリルなどを購入し、取り組ませたが、学校のように長時間勉強させるのは困難」などとなっている。
また「こどもの性格によって、やる気と自律が全然違う」と、児童個人や地域によって差が出てきてしまうことを心配する声もみられる。「市販のドリルなどを毎日続けているが、このやり方で果たして新学期が始まった時についていけるか心配」など達成すべき基準がなく、自分の子どもだけ遅れてしまうのではないかという不安が強そうだ。自宅学習について全国的に統一された指導基準やマニュアルを作成すべきではないか。(編集担当:久保田雄城)