安倍晋三総理はフリーランスについて「適正な拡大が不可欠」としたうえで、フリーランスの保護に向けた「ルール整備が重要」とし、契約書面の交付、取引条件の一方的変更の防止といった事項について、実効性のあるガイドラインや制度の整備を行うよう全世代型社会保障検討会議の席で示した。
安倍総理は全世代型社会保障検討会議の最終報告を年末に行う方針で、7月に中間報告を示す。このため、フリーランスについての対応を具体的に検討するよう、西村康稔経済再生担当・全世代型社会保障改革担当大臣に指示した。
会議ではフリーランスとして業務を行っていても、実質的に発注事業者の指揮命令を受けて仕事に従事していると判断される場合など、現行法上「雇用」に該当する場合は契約形態にかかわらず、労働関係法令が適用されることを明確化することになるもよう。
また論点として(1)取引条件が明確になっていないことが取引上のトラブルにつながることが多いため、発注事業者が契約書面を交付しない、又は記載が不十分な契約書面を交付することは独占禁止法(優越的地位の濫用)上、不適切であることの明確化。
(2)発注事業者が不当に取引条件の一方的変更や報酬の支払遅延・減額を行う場合があるため、独占禁止法(優越的地位の濫用)や下請代金法上問題となることを明確化(3)独占禁止法や下請代金法、労働関係法令に基づく問題行為を明確化するため、実効性があり、一覧性のあるガイドラインを内閣官房、公正取引委員会、中小企業庁、厚生労働省連名で策定していく。(編集担当:森高龍二)