強壮うたういわゆる健食の約9割から医薬品成分

2020年07月24日 10:07

 厚労省は平成30年度のインターネット上の買い上げ調査の結果を23日までにまとめた。その結果「 いわゆる健康食品67製品中49製品から、医薬品成分を検出した」と発表。厚労省は「これらの製品をお持ちの方は直ちに使用を中止し、健康被害が疑われる場合には速やかに医療機関を受診してください」と注意を呼び掛けている。

 ネットを通して海外から個人が直接購入することが容易になっているため、厚労省では海外で流通している製品のうち、いわゆる健康食品では医薬品成分が含まれており、日本国内では無承認無許可医薬品に該当するものやいわゆる海外製医薬品(医薬品成分を表示して販売されている海外製品)では表示された成分が十分に含まれていないものや過剰に含まれているもの、表示と異なる成分が含まれているものがないか、調査している。

 その結果、痩身効果を目的とした、いわゆる健康食品12製品からは医薬品成分は検出されなかったが、強壮効果を目的とした、いわゆる健康食品からは55製品のうち49製品から「シルデナフィル」などの医薬品成分が検出された。

 厚労省では「いわゆる健康食品では勃起不全に対して国内で承認されているシルデナフィル含有医薬品の最大用量(50 mg)の2倍以上、タダラフィル含有医薬品の最大用量(20 mg)の2倍以上検出されたものもあり、チオデナフィルは未承認医薬品成分のため、使用した場合、重大な健康被害が発生するおそれがある。医薬品医療機器等法に基づき承認された医薬品は適正に使用したにもかかわらず重大な健康被害が生じた場合には患者の救済を図る公的制度(医薬品副作用被害救済制度)が適用されるが、いわゆる健康食品や海外製医薬品による健康被害は救済対象とならない」として、注意を呼び掛けている。

 また「強壮効果を目的とする製品に含まれていたシルデナフィル等については、国内で承認されている医薬品(勃起不全治療薬)があるので、強壮効果を目的とするいわゆる健康食品や海外製医薬品を購入せず、医師、薬剤師に相談するよう」求めている。

医薬品成分が検出されたものの商品名には「レッドバイアグラ」「宮廷聖宝」「五夜神」「G7」「ハーバルプラス」「コブラx」「スーパージャンタン」などがある。(編集担当:森高龍二)