河野太郎防衛大臣は4日の記者会見で、ミサイル防衛に関して、記者団の問いに「わが国の防衛になぜ中国や韓国の了解がいるのか」と強く反論した。
記者団が安全保障政策の見直しに関して、自民党提言にあったような『相手国の領域でのミサイル阻止能力』を検討する場合、周辺国からの理解というのは重要になってくると思われる。現状では特に中国や韓国といった国からは、防衛政策の見直しについて、十分に理解を得る状況ではないようではないのか。防衛政策責任者として、現状の認識と今後もし理解を得る際に必要だと思われることがあれば、と質した。
これに河野大臣は「周辺国ってどこのことですか」と確認したうえで「主に中国や韓国になります」と記者団が答えると、河野大臣は「主に中国がミサイルを増強しているときに、何でその了解がいるんですか」と反論。
記者団が「韓国に対しては」との問いかけにも「何で韓国の了解が必要なんですか。我が国の領土を防衛するのに」と強く反発した。
「了解」は必要ないだろうが、自民党の提言を受け入れることの是非は別として、日本の防衛政策が「専守防衛で、攻撃的兵器を今後も保有しない、とするこれまでの政府方針は維持する」ことは中国、韓国はじめ周辺国に伝えることで誤解や新たな緊張を避ける効果も期待でき、外交努力として求められているといえよう。
日韓関係は従軍慰安婦問題や徴用工問題など歴史的な問題に加え、輸出規制問題も加わり、両国関係の一層の悪化が懸念されている。加えて、韓国・聯合ニュースは4日、「韓国外交部の金仁チョル(キム・インチョル)報道官は4日の定例会見で、日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)に関して『日程にとらわれずにいつでも終了できる』との立場を示した」と報じるなど、安全保障面でも難しい局面を迎えている。(編集担当:森高龍二)