東京一極集中を避け、若者の地方への移住を促進する国の「地方人材還流促進事業」のセミナーに一部の若者に現金を支払い参加させていた「さくら」問題が東京新聞に報じられたのを受け、加藤勝信厚生労働大臣は11日の記者会見で「現在調査させていただいている」と事実関係の調査に入ったことを明かした。
加藤大臣は「地方への移住希望の無い方々に金銭を払ってセミナーに動員するということは、セミナーの趣旨と全く異なる」と不快感を示し「早急に事実関係を解明し、不適切な事例があれば厳正に対処していく」と述べた。
加藤大臣は「2016年以降、大学内のセミナーを200回程度、学外でのセミナーを50回前後実施してきている」と開催回数を示した。
イベントは人材派遣大手のパーソルテンプスタッフ(東京)が受託して運営。東京新聞は「事業総額は約20億円にのぼり、セミナーの集客はパーソル社が外注。少なくとも都内の2社が関与」と報じるとともに「末端の下請け企業は現金支給を条件にセミナーに参加させていた」としている。東京新聞は集客に関与した関係者の証言も掲載している。(編集担当:森高龍二)