7月初旬からの新型コロナ感染症の感染者増大は下旬にはピークアウトし、その後感染者の減少傾向は持続しており現在は落ち着きを取り戻したと言える。この中で主な感染源として夜の街、特にナイトクラブやパブなど接待を伴う飲食店が名指しされた。
4月の緊急事態宣言の際も他業種と同様に休業要請を受けたとともに今回の事態でも営業時間短縮を要請されるなど経営上苦しい立場に立たされている。クラブなどを経営する経営者、いわゆるママ達もそれぞれ様々な工夫でこの困難をしのいできたようだ。
酒類関連コンサルタント業のリカープロジェクトが高級クラブ、ナイトクラブの経営者と高級飲食店経営者1064名を対象に「新型コロナウイルスによる営業自粛中のクラブ経営」に関する調査を5月下旬に実施、その結果レポートを8日に公表している。
レポートによれば、「緊急事態宣言前と比較し売上はどの程度になったか」との問いに対しては、「10%以上30%未満」との回答が27.9%最も多く、次いで「0%」が24.6%で約4店に1店が「売上ゼロ」という厳しい状態だ。続いて「1%以上10%未満」は18.0%、「30%以上50%未満」15.9%と続く。
売上減少に対応するための工夫や努力について複数回答で聞いた結果では「助成金や補助金の申請」が58.9%と最も多く、次いで「セーフティーネット保証5号の申請」36.3%、「お客様へのこまめな連絡」33.0%、「キャストへのお見舞金の支給」31.0%、「特に何もしていない」6.1%の順となっている。
行政からの支援策を除くと「お客様へのこまめな連絡」と「キャストへのお見舞金」が3割台と多くなっており、コロナ終息後に常連客や従業員が店に戻ってきてくれるよう工夫している様子がうかがえる。
自由回答でも「国の制度をできる限り利用すること」(20代/女性/福岡県)とともに「コロナの影響がなくなったあとの再開時、お客さまが再び戻ってくるための連絡と割引の配布」(50代/女性/神奈川県)などとなっており、急場は国からの支援策でしのぐとともに、再開時に得意客と従業員が直ちに戻ってきてくれる工夫も同時に進めているようだ。
感染者数の増加に落ち着きが見えてきたというものの終息には未だ時間がかかる見込みだ。ママ達の奮闘は今しばらく続くことになりそうだ。(編集担当:久保田雄城)