一般公開を前に、東京ビッグサイトで開催された東京モーターショー2011のプレス向け内覧会では、二輪各メーカーの最新モデルが披露され、報道関係者からの注目を集めていた。(ヤマハ発動機のプレスブリーフィングにて。撮影:北尾準)
11月30日から報道関係者向けに公開され、12月3日から11日の間に一般公開される東京モーターショー2011。一般のニュース等では四輪のコンセプトカーばかりがクローズアップされる印象があるが、このイベントには多くの二輪車も出展されている。しかし四輪車同様、二輪車で注目されるのもやはり、EV車などの電動車だろう。
ホンダは、バッテリーやモーターをコンパクトなサイズに収めたEVコミューター「モーターコンポ」を出展。クルマに積み込むことが出来るサイズなだけでなく、取り外し式のバッテリーは携帯用電源としての利用もできるなど、汎用性に優れたものとなっている。また、スポーツタイプのEV「RC-E」も世界初お披露目。250ccクラスの車体サイズでありながら、EVならではのスムーズな走りが実現されたモデルとなっている。
ホンダだけでなく、他社も数々の電動二輪車を出展している。スズキは、国内の人気シリーズ”レッツ4”をベースとした電動スクーター「E-LET’S」を出展。脱着式のバッテリーは家庭用の電源からも充電ができ、軽量化も進んだものとなっている。また、燃料電池スクーター「バーグマン フューエルセル スクーター」も展示。2009年の東京モーターショーにも出展された同コンセプトモデルは、その後イギリスでの実証実験や、日本初の水素燃料電池スクーターの実証走行実験を行っており、その進化した姿を見せてくれる。
ヤマハ発動機の注目車は三輪。今回出展されている「EC-Miu」は、前一輪・後二輪のレイアウトでありながら、原付一種クラスのコンパクトで扱いやすいものとなっている。さらに、電動アシスト自転車のパイオニアでもあるヤマハ発は、折りたたみ式の電動アシスト付自転車「PAS WITH」も出展。一見では電動アシスト付自転車と分からないスタイリッシュなデザインとなっており、震災以来注目を集める自転車人気をさらに加速させそうだ。
国内メーカーであるホンダ、スズキ、ヤマハ発だけでなく、イタリアのアディバ、オーストリアのKTMや台湾のキムコなど、海外のメーカーが二輪車を出展し、合計約100車種がお披露目される。
古くから研究・開発・販売されてきた電動二輪車ではあるが、性能レベルをあげるのが困難であったことと価格の高さから、なかなか浸透してこなかった。技術が進歩した現在においても、四輪自動車程には市場が広がらず、普及に手間取っている感はある。高まるエコ意識に関連して電動二輪車はどのような進化・普及をしていくのか。その端緒がこの東京モーターショー2011にあるのかもしれない。