菅義偉総理の総理就任後初の所信表明を受けた各党代表質問が28日から始まるが、菅総理は所信表明で日本学術会議の会員推薦者6人への任命拒否については一切触れず、原発政策の問題でも東京電力福島第一原発事故で毎日増え続けている放射能汚染水への対応、処理汚染水処理に関して一言も触れなかった。野党からは「都合の悪いことは隠蔽し、言及しない安倍政権の悪い点を引き継いでいる」(立憲・福山哲郎幹事長)と問題指摘する声があがっている。
日本共産党の志位和夫委員長は菅総理が26日夜のNHKニュース番組で日本学術会議推薦の6人に対し会員任命拒否をした理由について、学術会議作成の推薦名簿が『一部の大学に偏っている』『地方が少ない』『若手が少ない』などと新たに述べたことについてツイッターで「首相が勝手に『推薦はこうあるべき』という基準をつくって任命拒否を始めたら、学術会議の独立性は根底から破壊される」とまずもって総理判断が間違っていることを指摘。
また「学術会議が推薦した名簿を『見ていない』で、どうして推薦名簿にそのような特徴があることがわかったのか。語れば語るほど、支離滅裂になる」と総理説明が繕いだらけの、後付けのため、矛盾点が増える一方であることを発信した。
また党機関紙赤旗は「主張」欄で「何より驚いたのは日本学術会議の会員6人の任命を拒否したことについて一切語らなかったこと。任命拒否は過去の政府の国会答弁を覆し、日本学術会議法に違反するとともに、学問の自由や思想・良心、表現の自由を根本から揺るがす大問題。こんなことがまかり通れば日本は法治国家ではなくなる。国会で徹底追及し、任命拒否を撤回させることが不可欠」と総理を厳しく追及していくとしている。
また「森友・加計・桜を見る会などの疑惑に首相が言及しなかったのも不誠実で、政治への信頼を回復しようという姿勢ではない」とし「安倍政権の官房長官として一連の国政私物化に深く関わってきた菅首相には真相を語る責任がある」と引き続き、この問題にもメスを入れていく姿勢を示している。(編集担当:森高龍二)