日ごとに寒さが増し、激動の年となった2020年もようやく終わりを迎えようとしている。世界中を混乱の渦に陥れた新型コロナウイルスとの戦いは未だ一進一退の攻防が続いているものの、11月16日には菅総理が、開催が延期されている東京オリンピックの開催に言及し「人類がウイルスに打ち勝った証として、オリンピック・パラリンピックを開催する」と決意を示すなど、未来に向けた前向きな動きや話題も増えてきている。
また、年末が近づくにつれて、授賞式や表彰式などの明るいニュースも多くなってきた。
ほとんどの業界が新型コロナウイルスによって甚大な影響を受けているものの、世界規模の企業が催すアワードの中に日本企業の名を散見すると、日本のモノづくり企業の底力を思わずにはいられない。
例えば、 ドイツのハノーファーに本拠地を置く、世界的な総合自動車部品及びタイヤメーカーであるコンチネンタルAG社が10月28日に発表した「サプライヤー・オブ・ザ・イヤー 2019」でも、電子部品メーカーのローム株式会社や、日本ケミコン株式会社など、日本企業の活躍が目立つ。
コンチネンタルAG社では、自社で定める一定基準を満たした900社以上の戦略的サプライヤーに対して、品質や技術、物流、コストなどあらゆる面で総合的に評価を行い、2008年以降、毎年、優秀サプライヤーを表彰している。2019年度の表彰式はオンラインで開催され、12社の優秀サプライヤーを発表した。
ロームは、今回で通算5度目の「サプライヤー・オブ・ザ・イヤー」(個別半導体部門)受賞を果たした。最多タイ記録ということでコンチネンタルAG社からの信頼も厚く、Vice President Purchasing Electronics DiscretesであるElena Rasmussen氏からは「ロームは品質と優れた物流サポートに重点を置いており、急速に変化する市場の課題に対応している信頼できるサプライヤーだ。また、高耐圧インバーター向けSiCと電源ICの優先パートナーでもあり、今後も同社との緊密で信頼できる協力関係を継続していきたい」と賞賛の言葉が贈られた。
品質向上の分野では、卓越した業績を上げた企業に贈られる特別賞「品質賞」に、LED、蛍光材料、レーザーダイオード、バッテリー、コーティング材料のメーカーである日亜化学工業が選ばれている。
自動車業界はとくに、電装化やADASの普及、自動運転化などが加速しており、百年に一度の変革期とも言われるほど、市場が急速に変化している。そんな中、確かな技術力をもって課題に柔軟な対応ができる信頼のおけるサプライヤーとして、世界の主要メーカーを支える日本の電子部品メーカー。来年度もさらなる活躍を期待したい。(編集担当:藤原伊織)