欧州のEV車革命、既に始まっている。9月販売、EV車4台に1台。トヨタHEV、レクサスも順調

2020年11月15日 09:08

画・欧州のEV車革命、既に始まっている。9月販売、EV車4台に1台。トヨタHEV、レクサスも順調。

JATOが欧州の自動車市場についてレポート。今年9カ月間の販売台数は29%減の854万台。が、電動車は139%増の32.8万台。シェアは25%

 環境にやさしい次世代自動車として期待されているEV(電動車)。100年に一度と言われる大革命だが、2020年はEV革命が加速する年と見込まれていたものの、年初から始まった新型コロナパンデミックの影響で自動車市場全体が低迷し今後に持ち越されたと言われている。しかし、販売台数は少ないものの欧州ではEVのシェアが急激に伸び始め、既に欧州ではEV革命が始まっていると言える状況のようだ。

 6日に自動車産業の世界的な調査会社であるJATO Japan Limitedが欧州の自動車市場についての最新レポートを公表している。レポートによれば、欧州での今年9月までの自動車販売台数は新型コロナ流行の影響を受け前年同期比29%減となる854万台にとどまった。

 9月の欧州市場全体は前年同月比で1.2%増の130万台と微増であったが、ガソリン車とディーゼル車の台数は2桁減となったのに対し、電動車は139%増となる32万7800台となり、台数でもシェアにおいても新記録を更新している。今回初めて月次台数で電動車が30万台を突破し、マーケットシェアも約25%となり4台に1台が電動車となった。ここで電動車とは、BEV(ピュアEV)、PHEV、HEV、MHEVの合計だ。

 一方、ディーゼル車のシェアは当月過去最低となる24.8%となり、電動車がこれを上回って内燃機関車の一種のシェアを超えた。電動車の中でHEVとMHEVは合わせて53%を占めており、販売台数は前年同月比で124%増となっている。トヨタ・レクサスがいつも通り32%のマーケットシェアを占め、その他、フォード、スズキ、フィアット、BMWも販売台数を伸ばしている。

 ピュアEVのモデル別ではテスラのモデル3がトップとなったが、台数は前年同月比5%減で、一方、フォルクスワーゲンは352%、ルノーは211%の伸びとなっている。メーカー別に見るとフォルクスワーゲンがテスラを抜き、9月のピュアEVの販売台数でトップだ。また、PHEV(プラグイン・ハイブリッド車)ではメルセデスベンツが22%のシェアを獲得しトップとなり、次いでボルボ、BMWと続いている。

 JATOのグローバルアナリスト、Felipe Munoz氏は「内燃機関から電動車への転換が、ようやく起きている」「消費者の方もようやくこれらの新しいテクノロジーを受け入れる用意ができている」とコメントしている。欧州では既にEV革命が始まっているようだ。(編集担当:久保田雄城)