菅義偉総理は航空自衛隊入間基地で行われた今年度の航空観閲式で訓示し、豪雨災害などへの対応に「国民を守るために働いている諸官を誇りに思う」と評したうえで「自衛隊の本来任務は我が国の防衛」と述べ「弾道ミサイル防衛、領空侵犯への対処、日々の警戒監視など、どの任務にも大きな困難を伴う。任務達成のためには常に次に何が必要になるのか、一歩先を考え、ベストを尽くす、このことが不可欠」と強調。
「指揮官のみならず、隊員一人一人がこの意識を持ち、目の前の小さなことを怠らず、我が国を守り、国民を守るために働き続けることを期待する」とした。
また「我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増しており、陸・海・空という従来の領域のみならず、宇宙やサイバー、電磁波といった、新たな領域での対応が求められている」と強調。
菅総理は「それぞれの組織のみで対処することはますます困難」とし「組織の縦割りを排し、陸、海、空自衛隊の垣根を越えて取り組むことが重要。これまでの知見と経験を最大限に活用し、特別チームのように新たな任務に果敢に挑戦し、自衛隊を更に進化させていくことを強く望む」と縦割りを排した取り組みを提起した。しかし、最も厳格にルールに則った行動と指揮・命令の徹底が求められる組織で、縦割りを排することには課題や弊害も出てきそう。(編集担当:森高龍二)