普天間・騒音問題で問われる負担軽減の実効性

2020年12月06日 09:32

 米軍普天間基地の軍用機離発着時の騒音問題について、岸信夫防衛大臣は4日の記者会見で記者団の質問に「住民の皆さんにとっても深刻な問題であり、軽減を図ることは重要な課題と認識している」と語ったが、米軍に対して「航空機騒音規制措置の遵守や地元の重要な行事に配慮するように申し入れる。航空機運用による影響を最小限に留めるよう引き続き米側と協議を進める」程度の答えにとどまった。

 岸大臣は「オスプレイの訓練移転等を着実に実施し、住宅防音工事、地域社会の調和に係る各種施策を通じて、周辺住民の方々の負担を可能な限り軽減できるよう努めていく」と騒音に対し対処療法的なことを述べた。

 そのうえで結論的には騒音解決も含めて「普天間飛行場の返還による危険性の抜本的・根本的な除去を一刻も早く実現するため、辺野古移設に向けた工事を着実に進めていく考えだ」と語った。辺野古への代替基地建設による普天間返還まで住民の悩みが根本的に解消されることはないのか、政府の積極的な交渉が求められている。

 普天間基地配備のKC130などが岩国基地へ移駐やオスプレイ訓練の県外移転が図られてはいるが、一方で2019年度に外来機(固定翼機)の普天間への発着回数が約2700回と2017年度に比べ10倍にもなっている。騒音問題では負担軽減の実効性が問われている。(編集担当:森高龍二)