お茶で認知機能を改善。エーザイと伊藤園が認知症の予防で提携

2021年06月20日 08:45

画・お茶で認知機能を改善。エーザイと伊藤園が認知症の予防で提携。

エーザイと伊藤園が認知症との共生と予防に向けた取り組みに関する業務提携。エーザイのチェックツール「のう KNOW」と伊藤園の抹茶の認知機能の課題解決プロジェクトを融合し提供。

 機能性表示食品はトクホ(特定保健用食品)のように、その効能について科学的根拠を示す試験を行う必要は無いが、既存の論文等で根拠を示す必要があり健康維持機能をサポートするものとして消費者からの評価を得ているようだ。機能性食品の表示を行うためにはその効能について届け出が必要だが、緑茶・抹茶に含まれる茶カテキンには認知機能をサポートする効果があると届け出されており、機能性食品でもある「お~いお茶」で有名な伊藤園は「抹茶」で認知機能の低下に対する課題解決に挑む「ITO EN MATCHA PROJECT」を実施している。

 5月31日、その伊藤園と大手製薬会社のエーザイが「認知症との共生と予防に向けた取り組みに関する業務提携契約」を結んだことを発表した。この提携で、エーザイの認知症分野での新薬開発や疾患の啓発活動から得られた豊富な経験的知識、さらに当社が保有するデジタル技術をはじめとするソリューションと伊藤園が保有する地域密着の営業活動を通じた顧客ネットワーク、抹茶に対する豊富な研究に基づく認知機能に関する課題解決プロジェクトを融合させ、認知症という社会課題の解決に貢献することをめざすとしている。

 具体的には、自治体が住民向けに行う認知症関連や脳の健康に関する運動・食等のセミナーに対して両者のソリューションパッケージを伊藤園の全国186拠点を通じて提供する。提供するパッケージは、エーザイによる疾患啓発資材および脳の健康度セルフチェックツールである「のう KNOW(TM)」と伊藤園の抹茶と健康に関する情報・サービスのソリューションだ。また、伊藤園が販売する機能性表示食品「お~いお茶 お抹茶 POWDER」にエーザイの「のう KNOW」が実施できるプリペイドカードと脳の健康に関する情報資材を同梱した商品セットを販売するとともに、伊藤園が開催するイベントやキャンペーンにおいて参加者に脳の健康に関する情報と「のう KNOW」を用いたブレインパフォーマンスチェックの機会を提供する予定だ。さらに、企業検診における「のう KNOW」の活用に向けたトライアルとして伊藤園の社員の希望者による定期的なブレインパフォーマンスチェックに基づく健康意識と行動変容の効果検証も実施している。

 エーザイは「両社の強みを掛け合わせた取り組みを推進することで、生活者の皆様が自分らしく幸福な生活を送ることができるよう、健康長寿社会の実現に向けた価値共創を推進」して行くとしている。(編集担当:久保田雄城)