小中高時代に障がいを持つ同級生に「いじめ」を繰り返したと雑誌インタビューで当時を回想して語っていた小山田圭吾氏に対する批判が相次いでいる。ネット上では東京五輪・パラリンピックの開閉会式組織メンバーに参画し、開会式の演出・楽曲を担当するのは理解できない、と小山田氏を除外するよう求める署名活動が始まり、開始から3日余りで署名は2万人を超えている。
「障がい者虐待者をオリパラ開閉会式制作メンバーにするとは、これ以上の障がい者への冒涜行為はない!!!」「いじめ(というか暴行罪)をするに加えて更にそれを自慢するとは。とんでもない、日本の恥です」「いじめではなく、小山田氏がしたことは犯罪です」「兄が知的障がい者です。障がい者にこうした虐待行為をした人物が参加することは許せません。オリンピック・パラリンピックもそうですが、『障がい者のため』を謳うイベント、チャリティなどを開催する側の意識のあり方が問われていると思います」などなど。
疑問や問題を投げる声が相次ぐ中、辞任しない小山田氏への批判的意見や五輪組織委への批判の声が拡大しており、五輪・パラリンピック開閉会式で小山田氏の楽曲が世界各国に流れることに「負のイメージ」の強い懸念も出始めている。
署名呼びかけでは「小山田氏はかつて発売された雑誌の中で、小学・中学・高校時代に小山田氏本人がいじめの加害者であり、その対象が障碍者の同級生だったと告白しています。『だってもうほんとに全裸にしてグルグルに紐を巻いてオナニーさしてさ。ウンコを喰わしたりさ。ウンコ喰わした上にバックドロップしたりさ』『マットレス巻きにして殺しちゃった事件とかあったじゃないですか、そんなことやってたし、跳び箱の中に入れたり』(ロッキンオン・ジャパン=94年1月号、クイック・ジャパン=95年3月号)」インタビューを受けた小山田氏が当時を回想して語っていたとしている。
小山田氏は今月16日、コーネリアスの公式ツイッターで謝罪文を発表。「私の発言や行為によって傷付けてしまったクラスメイトやその親御さんには心から申し訳なく、本来は楽しい思い出を作るはずである学校生活において、良い友人にならず、それどころか傷付ける立場になってしまったことに、深い後悔と責任を感じております」と謝罪。「学生時代、そしてインタビュー当時の私は、被害者である方々の気持ちを想像することができない、非常に未熟な人間であったと思います」と釈明。
また小山田氏は謝罪文で「(雑誌に掲載されたインタビューの)記事の内容につきましては、発売前の原稿確認ができなかったこともあり、事実と異なる内容も多く記載されておりますが」と記しているが、いじめ行為のどの部分が事実と異なるのかの説明はしていない。
そのうえで「学生当時、私が傷付けてしまったご本人に対しましては、大変今更ではありますが、連絡を取れる手段を探し、受け入れてもらえるのであれば、直接謝罪をしたいと思っております」と、いつ反省すべきことと理解し、謝罪すべきと気づいたのかの時期についても触れていない。
小山田氏は謝罪文最後に「一人の人間として、また、音楽家としてどう在るべきか、自分は世の中や周囲の人々に対して、どういったかたちで貢献していくことができるのか、常に自問自答し、より最善の判断をしていけるよう、一層の努力をして参りたいと思います」と結んでいる。
この問題に、一般社団法人全国手をつなぐ育成会連合会(久保厚子会長)は18日(1)小山田氏の行為は極めて露悪的である(2)なぜ小山田氏が楽曲提供担当となり、組織委は留任させることにしたのか、と指摘し「小山田氏および東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会による真摯な説明が求められます」と説明を求める声明を発表した。
また「今般の事案により、オリンピック・パラリンピックを楽しめない気持ちになった障がいのある人や家族、関係者が多数いることについては、強く指摘しておきたい」とした。小山田氏、五輪組織委の橋本聖子会長の真摯な対応が求められている。(編集担当:森高龍二)