岸田文雄総理は日本原水爆被害者団体協議会代表委員の坪井直氏の逝去に触れた「核兵器禁止条約」に関する記者団の問いに「核兵器(保有)国は一国もこの条約に参加していない」ことを理由に、保有国への働きかけに努めるとの考えを強調するにとどまった。
岸田総理は27日「核兵器禁止条約は核兵器のない世界という大きな目標に向けて、出口に当たる重要な条約と思う」としながら「核兵器国は一国もこの条約に参加していない。私は外務大臣経験の中で、核兵器国を動かさなければ現実は少しも変わらないという厳しい現実に何度も突き当たった記憶がある」と述べた。
そのため「唯一の戦争被爆国として、核兵器国を動かして、現実を変えていく、こうした努力をする責務がある。しっかり具体的な行動をし、責任を果たしていきたいと強く思っている」としたが、最後に述べたのは「唯一の同盟国であるアメリカ、バイデン政権ともしっかり意思疎通を図りながら、努める」と米国の核抑止力に依存する安全保障政策姿勢は安倍・菅政権と変わっていない。(編集担当:森高龍二)