自民党は変わらない、変われない 立憲・枝野氏

2021年10月01日 06:56

 自民党総裁に岸田文雄前政調会長が就任した。立憲・共産・社民・国民の反応。立憲民主党・枝野幸男代表は「「新しい政府として、しっかりと説明責任を果たしてもらいたい。国会論戦の中で、どういう政権を作り、どういう社会を目指すのかを国民の前で互いにぶつけあいたい」と総理の所信表明演説と代表質問で終わるのでなく、一問一答の論戦を交わして熟議できる予算委員会も行うよう求めた。

また枝野氏は「安倍・菅政権と何がどう違うのか、説明してもらうことが最初だ。残念ながら、ここまで見て『自民党は変わらない』『自民党は変われない』ことを示した新総裁選出だと思う」と語った。

 日本共産党の志位和夫委員長は、岸田氏が「民主主義そのものが危機にある」との認識を示していることから「ならば、 沖縄県民の民意を無視して新基地を押し付け、 学術会議への人事介入を行い、 集団的自衛権行使の安保法制を強行して立憲主義を壊すなど『民主主義そのものが危機にある』という事態をつくった政治を反省し、改めることができるか」と突きつけた。

 また、岸田氏が「新自由主義からの転換」ということをあげたことに「ならば、消費税を10%に上げ、法人税を23%に下げ、全国400の公立・公的病院の統廃合を進め、保健所を半分にし、非正規労働者を4割まで広げたことなど、これまでの新自由主義政策への反省と転換ができるか。具体的問題が問われている」と提起した。

 志位委員長は「岸田氏は2015年、安倍政権が憲法違反の安保法制を強行したさいの外務大臣として、立憲主義の破壊に重大な責任を負っている。総裁選でも改憲4項目推進、原発再稼働、大軍拡を進めるとの主張を行った。政治の中身は安倍・菅直系政治というほかない。政権交代が必要」と結論づけた。

 社会民主党の福島みずほ党首は「自民党総裁に岸田文雄さん。森友、加計学園などの疑惑解明ができるのか。選択的夫婦別姓も実現するとは言わない。広島選出だが、核兵器禁止条約を批准すると言わない。命を大事にしない自民党政治は誰が総裁になろうと変わらない」と断じた。

 同党の服部良一幹事長は「岸田新総裁が首相に就任したとしても自民党政治は変わらない。被爆地広島県を選挙区としながら核兵器禁止条約の批准・調印に言及せず、敵基地攻撃論や台湾有事への安保法制(戦争法)の適用、そして憲法改悪に突き進む与党総裁に日本の将来をゆだねる訳にはいかない」との談話を発表した。

 国民民主党の玉木雄一郎代表は「今の政治の1番の課題は政治への信頼回復と思っている。岸田氏も総裁選挙で信頼回復ということを仰っておられたので、ぜひ実践していただきたい。一方で総裁選結果を見ても、安倍晋三元総理の影響が強く表れた選挙だったのではないかなと思う。岸田さんの掲げた政治の信頼回復というところが、安倍元総理の影響のもとでどれだけ実現できるのか、厳しく見定めていきたい」とした。

 また岸田氏が総裁選であげた政策で賛同できるものもあった、として玉木氏は「コロナの影響を受けた事業者に対する業種を問わない、固定費保障の考え方は国民民主党が先の通常国会で出した法案そのもので、コロナ対策として必要ということであれば、選挙前でも、法案なり補正予算の編成なり、やるべきことをやって選挙に臨む、それぐらいやってもらいたい」と語った。(編集担当:森高龍二)