TPP交渉参加をめぐり、野田佳彦総理がAPEC出発前の記者会見で「TPP交渉参加に向け関係国との協議に入る」としたことに対し、13日のNHK日曜討論に出演した自民党の田野瀬良太郎幹事長代行は「参加するのかしないのか、あの表現では分からない。拙速すぎて覚悟と準備ができてなかったからではないか」と曖昧な表現を批判。
また、田野瀬自民党幹事長代行は日本の農業について「米を死守してきたから今の農業がある。関税撤廃を原則とするTPPに入れば怒涛のごとく米が入り、田は荒れ、原野になる」と日本農業と中山間地域の崩壊につながると懸念を示し、コメに対する関税を守るよう強く求めるとともに「自民党としてTPP交渉参加に反対する」姿勢を改めて強調した。
斉藤鉄夫公明党幹事長代行も「野田総理の発言は国民を欺く二枚舌だ」と強く批判するとともに「国会が終わってからの表明は国会軽視」と指摘。さらに野田総理がさきの会見で「世界に誇る日本の医療制度、日本の伝統、文化、美しい農村、こうしたものは断固として守り抜き」と発言していることや樽床伸二民主党幹事長代行がこの日の討論でも「守るべきものは守る」としていることに対して「民主党の交渉力で本当に大丈夫か」と外交交渉能力に疑問を呈した。
樽床民主党幹事長代行は野田総理の発言について「事実関係に基づいて、考えを表明したものと思う」と語るとともに、日本のコメの関税や国民皆保険制度など「しっかり守るべきものは守る」と答え、不安視される交渉力については「与野党協力して、対外的交渉力を持てるようにしていければと思っている」と協力を求めた。(編集担当:福角忠夫)