トヨタのラグジュアリーブランド、LEXUSがバッテリーEV(BEV)専用モデル新型SUVの「RZ」の詳細画像・情報を世界初公開した。
2019年に発表した電動化ビジョン「Lexus Electrified」に基づき電動化技術を用いた基本性能の大幅な進化を実現し、HEVやPHEVなどのプラクティカルな電動化車両の提供を通じ、多様なニーズに対応。2030年にBEVのフルラインアップ化を実現する計画だという。2035年にはBEV100%のグローバル販売を目指し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していくとしている。
これらチャレンジのために、LEXUSの新しい事業拠点Toyota Technical Center Shimoyama(TTCS)において、クルマを「走らせては直す」ことを幾度となく繰り返し、クルマを鍛え、同時にクルマを「つくる人」も鍛えていく。
新型RZは、LEXUS初のBEV専用SUVモデルとして、電動化技術がもたらすLEXUSらしいクルマを体現し、ブランド変革の起点にBEVを据えて開発したモデルだ。新型はBEV専用プラットフォーム「e-TNGA」に加え、バッテリーやモーターの最適配置による理想的な慣性諸元や、軽量かつ高剛性なボディの実現により、車両の基本性能を大幅に進化させている。
また、電動化技術を高度に活用した四輪駆動力システム「DIRECT4」(登録商標)や、ドライバーの意図に忠実な車両コントロールを可能にしたステアリング制御とステアバイワイヤシステム採用。ステアリングシステムに機械的な接続部が無いことによる、シャープで応答性に優れ、人とクルマが一体となった気持ちの良いドライビングフィールをもたらす。
搭載する駆動用モーターは、前150kW、後80kWで、駆動用リチウムイオンバッテリーの容量は71.4kWhである。この組み合わせから航続距離約450km(J-WETCモード)を確保した。
DIRECT4の4輪への駆動力配分制御は、車輪速度センサー、加速度センサー、舵角センサーなどからの情報を分析し、前輪と後輪のトルク配分を自在に変え、発信加速性や操縦安定性の向上を図る。つまり、発進時や直進加速時にはクルマのピッチングを抑え、ダイレクトな加速を提供し、前後6:4程度のトルク配分で制御・走行する。
コーナリング時には車速・舵角などの情報を分析、駆動力の配分を行なう。つまりここでは、コーナーの入り口付近のステア初期には前輪寄りのトルク配分で、出口付近のコーナー脱出時には後輪寄りにトルクを配分。トラクションの確保やピッチングを抑えながら俊敏なコーナリングを達成する。いずれもLEXUSがHVなどで培ってきた電動化技術とスポーツモデル開発で積み上げてきた車両運動制御技術を融合させ、ドライバーの感性に寄り添った走りを実現したという。
エクステリアデザインはBEVらしいシームレスな加速感とトルクフルな躍動感を表現。スピンドルグリルも冷却の必要がないBEVの機能的な進化や空力性能向上を目指して「スピンドルボディ」という塊感のある造形となった。
ボディサイズは全長4805mm×全幅1895mm×全高1635mm、ホイールベース2850mmとミッドサイズ以上の車格となる。
インテリアは開発にあたってSDGsやサステナブルなモビリティという考え方を据えて、ラグジュアリーな演出に頼らない、機能的本質を追求したシンプルな設えの中に細やかなモノづくりや上質さが感じられる空間を実現した。(編集担当:吉田恒)