イノシシ肉自家消費しないよう 福島県呼びかけ

2011年11月09日 11:00

 福島県は県内で捕獲されたイノシシのうち、会津地方で捕獲されたイノシシ以外は自家消費しないよう呼びかけている。もともと阿武隈川西側に広がる会津地方にはイノシシは少なく、ほとんどは阿武隈川の東側で捕獲されることから、事実上、福島県全域でイノシシ肉の自家消費は控えてという呼びかけに等しい。

 東京電力福島第一原発事故に伴い福島県ではイノシシをはじめツキノワグマなど野生鳥獣の「肉の放射性核種の濃度測定調査」を10月から始めており、第3回調査では二本松市、川俣町、相馬市、南相馬市、いわき市の5市町で捕獲されたイノシシの肉から国の暫定規制値を超える放射性セシウムが検出された。

 相馬市で10月29日に捕獲したイノシシから基準値の11倍を超える放射性セシウムが検出されている。

 また、キジ、ヤマドリ、カルガモからも低濃度ながら放射性セシウムが検出されており、放射性物質の野生動物に対する影響が懸念されている。

 福島県では来年3月末まで週に1回程度の割で調査を継続していくとしている。

 なお福島県がイノシシの肉の自家消費を控えるよう呼びかけているエリアは具体的には中通り(県北、県南、県中の地区)、浜通り(相双、いわきの地区)。また、県北地区についてはツキノワグマの肉についても自家消費を控えるよう呼びかけている。民間調査や県調査を総合して判断しているという。(編集担当:福角忠夫)