日本の対露政策に理解と協力アピール 岸田総理

2022年05月29日 07:56

 岸田文雄総理は26日、国際交流会議「アジアの未来」晩さん会で講演し「今、世界は権威主義的国家による、国際法も人道も踏みにじる信じがたい侵略を目の当たりにしている」と冒頭にロシアによるウクライナ侵略を強く非難した。

 そのうえで「全ての活動の前提となる平和や秩序が突如崩されていく有様に衝撃を受けた。この新たな現実を直視し、国際秩序の揺らぎに対応して、いかなるアジアの未来を構想していくか。世界全体が歴史の分岐点にある今、これまで以上に各国各界のリーダーが本音で議論し行動していくことが求められる」と訴えた。

 岸田総理は「権威主義的国家による一方的・威圧的な行動への対応とG7の結束強化。半導体を始めとするサプライチェーンの安全性・強靭性の確保。気候変動問題とエネルギー安全保障の両立。地域経済連携へのデジタル・ルールの組入れ」の重要性を訴えた。

 特に国際秩序の根幹や自由・人権などの普遍的価値に抵触するリスクに対する毅然とした対応では「米中どちらにつくかではなく、普遍的価値と平和秩序を守るか失うのかどちらか、こうした問題であり(日本が、従来の対露政策を転換し、制裁による長期的なコストを覚悟してG7との結束を強めているのは)こうした優先順位によるものであることをアジアのリーダーに引き続き理解と協力を求めていく」とした。(編集担当:森高龍二)