石炭や液化天然ガス(LNG)などの輸入価格高騰の煽りを受け、2021年9月以降、各社の電気料金が値上がりしつづけている。気象庁の予測では、ラニーニャ現象の影響で今年の夏は梅雨明けも早く、酷暑となりそうで、電気代が家計をひっ迫しそうだ。
そんな中、東京都が地球温暖化につながる温室効果ガスの排出削減に向け、住宅メーカーなどの事業者に対し、一戸建て住宅を含む新築建物に太陽光発電のパネルの設置を義務付ける制度をつくる方針を明らかにした。都では今月中にも意見を取りまとめ、 2022年度中の成立を目指すという。
太陽光パネルの設置費などが上乗せされると住宅価格の値上がりにもつながることから、関係各所からの反発も予想されるが、小池百合子知事は、温室効果ガスの排出量を2030年までに00年比で50%まで削減するという、東京都が掲げる目標達成のためには一戸建てへの義務化は不可欠としている。
太陽光発電パネルの設置は、地球環境負荷の軽減や、災害時の電源確保などのメリット、さらには今年のように電気代が値上がりしている状況下では家計の助けにもなる。とはいえ、建築費の増加など不安視する声も多い。また、消費者だけでなく、東京都の今回の制度に向けての答申書では「一戸建てを含む延べ床面積2000平方メートル未満の中小規模の建物においては、建物の購入者ではなく、中小規模の建物供給量が都内で年間2万平方メートル以上の事業者に対して設置義務を課す」としており、これに該当すると思われる大手住宅メーカー約50社が費用負担する場合、経営を圧迫してしまうことも懸念される。また、いずれ老朽化を迎えたときにはパネルの廃棄も課題となっている。これらの問題をクリアにして、メリットだけを上手く享受する方法はないものだろうか。
そこで注目されているのが、ある住宅メーカーの新商品だ。木造注文住宅を手がけるアキュラホームグループとスマートアライアンスビルダー (SABM)が、タイムリーにも5月28日に新発売した 「超発電の家」は、立地ごとに光熱費シミュレーションを実施し、 太陽光の発電能力を最大限に発揮できる屋根勾配の設計を実施することにより、太陽光の発電能力を最大限発揮することに成功。さらにZEH 基準( UA 値= 0.6 )に相当する、断熱性能の最上位等級「断熱等性能等級5」を標準化し、設計次第では、HEAT20の高気密高断熱性能にも対応可能だという。そして、この2つにより、同社試算では 35年間で828万円の光熱費を抑えることができ、初期投資を約7年で回収することができるというから驚きだ。
アキュラホームグループは環境貢献に積極的な企業としても知られており、太陽光発電も20年以上前から推奨。これまでに1万6千棟以上の採用実績を誇り、直近では半数の販売拠点が搭載100%を達成している。実績が豊富な業者だから、設置はもちろん、メンテナンス面でも安心だ。同社では搭載率100%を目指しており、今回の東京都での義務化の動きも前向きにとらえて、価格も1810万円(税抜)からとリーズナブルな設定に抑えている。
東京都で太陽光発電パネルの設置義務化が成立すれば、他府県でもやがてそれに倣うところが出てくるかもしれない。政府も今のところ設置義務化を見送っているが、東京都が成功すれば、義務化へ傾倒する可能性は高い。日本の一戸建ての屋根に太陽光発電パネルが標準搭載される日は、そう遠い未来の話ではなさそうだ。(編集担当:今井慎太郎)